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pHAIシステム高速応答の理由

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ワイヤレスケミカルセンサシステム pHAIが高速応答である理由

1.ワイヤレスであること

これまでのケミカルセンサのほとんどがワイヤード(有線)で、少なくとも1m以上のシールドケーブル
を用いて、測定用のアンプにセンサからの信号を送っています。

ワイヤード式ケミカルセンサ

 

 

 

 

 

 

 

 

ケミカルセンサ特にpHセンサの応答部分であるガラスは高インピーダンス(直流では抵抗値とほぼ同じ)
で抵抗値は108Ωもあります。
ケーブルには、静電容量(コンデンサ分=150pF/1m)があり、時定数
τ=RC
だけ応答が遅れます。
この分での応答遅れは、1秒程度です。時定数に関してはコイル成分のインダクタンスの影響もあります。
τ=L/R
これも応答遅れの原因となります。

また、高インピーダンスのまま、信号を送るとノイズが乗りやすくなります。
ノイズの影響でも、センサの信号がふらついて、センサの出力が安定しない
ようにも見えます。この分でも応答が遅れて見えることが多々あります。
例えば、
ケーブル近くに動力線などがあれば電磁波の影響により電位がふらつくことが良くあります。
電源コードなどをケーブルに束ねたり、強力なスターラ、大型装置から発生する電磁波による
インダクタンス成分の影響もあります。

実験室には商用電源周波数が飛び交っていますので、ノイズを受ける確率が非常に
高いと言えます。

ワイヤレスケミカルセンサシステムpHAI

 

 

 

 

 

ワイヤレスケミカルセンサシステムpHAIでは、センサの信号を無線で伝送することにより、
ケーブルの静電容量に起因する時定数による遅れがありません。
また、ノイズも極力受けないので、ノイズによる見かけ上の遅れもありません。

これが、高速応答の要因の一つです。

2.過渡応答に対して強いこと

pHセンサの構成と測定原理

一般的なケミカルセンサの代表のpHセンサは図1のようにガラス電極と比較電極の
2本の電極で構成されています。測定溶液の中にこの2本の電極を浸すことで、
この2本の電極の間に電圧が発生します。比較電極はどのような液に浸しても
電位がほぼ変わらないように設計されています。ガラス電極のほうは、
測定溶液のpHによって電位が変化します。よって、ガラス電極の電位と
比較電極の電位の差を取れば、pH値に変換することができます。

2本の電極を取り扱うのは煩雑なので、現在はこの2本の電極を1本にまとめた
複合電極という形のものがほとんどです(図2)。
pHAIシステムでも複合電極を採用しています。

図1 pHセンサの基本構成

 

 

 

 

 

 

 

図2 pH複合電極

 

 

 

 

 

 

 

電位とは
ある基準に対してどれくらいの電圧であるかを示す値です。

こういった電気化学的な測定の場合は標準水素電極(SHE)が絶対的な基準となります。
それに対して何Vということですが、標準水素電極は扱いにくいので、Ag/AgCl
(銀・塩化銀電極)が現在、ほとんどの場合に使われます。Ag/AgCl電極は標準水素電極
に対して、+0.199V (Sat.KCl Ag/AgCl vs. SHE、25℃)と既知の値であるので、これを基準に使う
ことができます。Ag/AgCl電極を基準に何Vということですが、
一般的には、pH7の液に浸したときに0mVとなるように構成します。
電位は基準を持った値ですが、電圧は幅で相対的な値です。
音楽でいうと、電位は絶対音感ですが、電圧は相対音感ということになります。

pHAIシステムが過渡応答に強い理由

過渡応答とは
センサを測定溶液に浸した瞬間に生じる応答です。センサの洗浄の仕方や不織布でのセンサの
拭い方などで、大きく変わります。一般的には以下の図のような応答を示します。

pHセンサは、電気回路的に考えると、一種のコンデンサと言えます。

コンデンサの歴史
18世紀中頃、後ポメラニア出身のエヴァルト・ゲオルク・フォン・クライストは、
手で持ったガラス瓶の中に満たされた水へ高圧静電発電機を導線でつなぐと電荷が
蓄えられる事を発見した。クライストの手と瓶の中の水が導電体として働き、
かつガラス瓶が誘電体として働いたのである。これが、コンデンサの始まりです。
pHセンサの構造とよく似ています。

回路図的に表すと図3のように表現できます。

図3

 

 

 

 

 

図3において、ガラス電極と比較電極で1つのコンデンサ(C)を形成している
と考えられます。ガラスが誘電体となります。
R(抵抗)とSWは測定溶液に相当します。

電極を溶液から引き揚げた状態(オープン状態)はSWをオフにした状態と言えます。
この状態で不織布などでガラス電極を拭うとガラスは静電気を帯電します。
摩擦帯電系列からすると、ガラスはプラスに帯電しやすいと言われています。
ガラスの比誘電率は大きいので、μF(マイクロファラッド)オーダーの電荷を蓄えます。
これは、コンデンサの充電に相当します。

pHセンサを測定溶液に浸すとSWがオンになった状態となり、コンデンサ=ガラス電極
に蓄電された電荷が放電されます。これが、過渡応答に相当します。

放電された瞬間、コンデンサの電圧はすべてR(=測定溶液)に印加されます。
抵抗Rが小さいほど電流が多くながれて、電流が流れる時間が短くなります。
すなわち、溶液では導電率の高い溶液のほうが、放電時間が短い=過渡応答時間が
短いということになります。
水道水は導電率が低いので、放電時間が長い=過渡応答が長い溶液と言えます。

これまでのケーブル式では高インピーダンス(直流回路では=高抵抗)のまま、
ケーブルを介してアンプに送られていたので、放電現象(過渡応答)は上記に
書いたように送信されるだけでした。

ワイヤレスシステムでは、初段にインピーダンス変換(高インピーダンスから低インピーダンス)
します。高抵抗から低抵抗に変換します。
これは、ガラスの抵抗だけでなく、溶液の抵抗も含まれます。
すなわち、ガラスだけでなく、測定溶液も低抵抗として扱う=導電率の高い液として
扱えるということになります。

測定溶液が低抵抗で扱えるということは、見かけ上、導電率の高い液(イオン強度がたかいとも
言えます)を測定していることに相応するので、測定値の安定性も良くなると
推測されます。

よって、これまでの高インピーダンスアナログ回路よりは、放電電流が大きくなり、
放電時間=過渡応答時間が短くなるというように推測されます。

pHAIシステムで採用したガラス電極を用いて、従来通り、ケーブルを用いて
作製したセンサと本ワイヤレスシステムで作成したセンサで水道水を静置下
で測定した場合の結果を以下に示します。

 

従来のケーブル方式と比べての優位性が認めれれます。

こういった効果により、低イオン強度水(純水から水道水レベル、希薄溶液とも言います)
や低温の溶液(ガラスの抵抗値が大きくなる)を測定するときには、さらに効果が
上がります。

これもまた、高速応答の要因の一つです。

高速応答センサ

センサの応答特性が速いということは言うまでもありません。
pHAI-Laboに搭載したpHセンサでは、温度センサにも工夫を加えることで、
測定溶液の温度変化への追従も速くなりました。

これら3つの要素により、かつてない、高速応答のセンサを実現しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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