BEGINNING OF THE NEW TRADITION

水道水のpH・ORPを測定するとき

  • HOME »
  • 水道水のpH・ORPを測定するとき

水道水はどちらかというと希薄水溶液です。塩素系殺菌剤等が含まれていますが、極微量です。
このため、pHセンサやORPセンサなどの電気化学センサでは測定しにくい分類になります。

こういった電気化学センサで測定する場合は、測定対象の溶液を攪拌して測定するのが基本です。

が、このような希薄溶液の場合は、攪拌せず静置状態で測定したほうが、再現性よく測定できる場合があります。

一方、観賞魚を飼育するためには、水道水に様々の水質調整剤を加えます。このときには、全体に隅々
までいきわたるように、攪拌することが好ましいと言えます。

それでは、水道水にさまざまな水質調整剤を加えたとき、どういった条件、静置状態か攪拌状態で
測定すれば、再現性のよいデータが得られるかを試してみました。

測定条件

・10Lの水道水を採取し、約10分間pHとORPを測定する。その後、ハイポ(チオ硫酸ナトリウムの
五水和物 Na2S2O3・5H2O )を同じ量、純水10mLに溶かしたものを全量加え、
最終60分まで測定する。

ハイポ(上の大きな粒で約0.2g)

 

 

 

 

 

 

 

・水道水の状態は以下の3通りで行いました。

  • 静置状態で、ハイポを加えたときだけ、攪拌棒で全体をかき混ぜ、その後、静置。
  • エアポンプで空気をバブリングする。攪拌というか対流であるかと思います。攪拌より少しマイルド。
  • マグネチックスターラーで攪拌。

結果

(1) 静置状態で、ハイポを加えたときだけ、攪拌棒で全体をかき混ぜ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

測定開始時間 1回目2018/08/07 15:36:29

       2回目2018/08/08 15:10:12

       3回目2018/08/08 16:22:27

測定間隔 10

ハイポの量  1回目 0.1332g/10mL純水

2回目 0.1400 g/10mL純水

3回目 0.1306 g/10mL純水

(2)エアポンプでバブリングしたとき

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

測定開始時間 1回目 2018/08/09 15:23:11

       2回目 2018/08/09 16:27:53

       3回目 2018/08/10 10:18:057

測定間隔 10

 

ハイポの量 1回目 0.1198g/10mL純水

2回目 0.1163 g/10mL純水

3回目 0.1198 g/10mL純水

 

 (3)マグネチックスターラーで攪拌

 

 

 

測定開始時間 1回目 2018/08/06 15:00:00

       2回目 2018/08/06 16:19:41

       3回目 2018/08/07 09:40:13

測定間隔 10

ハイポの量 1回目 0.1221g/10mL純水

2回目 0.1256 g/10mL純水

3回目 0.1270 g/10mL純水

3.考察

ハイポ添加前の測定値

水道水の状態 pH ORP(mV)
静置 7.52 380~460
エアポンプでバブリング 7.40 230~550
スターラーで攪拌 7.45 190~510

ハイポ添加後の測定値

水道水の状態 pH ORP(mV)
静置 7.63 110~130
エアポンプでバブリング 7.40 160~210
スターラーで攪拌 7.45 160~190

 

測定値は攪拌状態によって影響を受けるという結果が得られました。

全体的に見て、pHの測定では、エアポンプやスターラーを使った場合、測定値の細かな振動(ギザギザ)
が少しでます。これは、攪拌の影響でしょう。

ORPの測定においては、細かな振動はどの攪拌方法でもそれほど大きくなく、同じくらいとなっています。
ハイポ添加前10分間のORPの測定においては、攪拌の影響が顕著に表れています。

エアポンプ、スターラーを使った場合は、再現性よく測定できているとは言い難い状態です。
静置状態の場合もばらつきがありますが、測定時間をもっと長くすれば、ある値に収束するというような
変化をしています。

pH測定において、静置状態では、ハイポ添加後約1分で0.1pHほど下がるという現象は再現しました。
今回使用したハイポには重金属除去の効果がないものなので、この現象は、チオ硫酸ナトリウムによる
塩素系殺菌剤を除去する反応に基づくと言えるでしょう。

測定値に関しては、pH測定値は、静置状態のときは、他の状態と比べ、約0.1pH高くなっています。
ORP測定値は、静置状態のときは、約100mVと他の状態の約200mVより低くなっています。
チオ硫酸ナトリウムは、溶液中の溶存酸素を除去する効果もあるので、水道水のORP値に
関係していた溶存酸素のORPが少なくなり、静置状態で約100mVまで下がったものと考え
られます。エアポンプやスターラーで攪拌すると、空気中の酸素が再び、水道水に溶け込み
易くなるので(攪拌により常に空気と接する面が変わるため)静置状態のときより少し
高い、約200mVという値を示したものと考えられます。

100mVという値は少し低いかもしれません。ハイポを過剰に入れている可能性もあります。

pHの測定において、静置状態とスターラーで攪拌した場合はほぼ一定の値を示しますが、エアポンプを
使用した場合は徐々にドリフトしています。ORP測定においても安定値に収束していく時間が一番長くなっています。
エアポンプを使用した場合、バブリングされているのは、一部であるので、対流が徐々に起こっている
状態であると考えられます。なので。最終、液として落ち着くのに時間がかかっていると考えられます。

攪拌のレベルでいうと

静置(まったく動かない)<エアポンプ(徐々に対流)<スターラー(攪拌で一気に均一化)

という関係となっており、エアポンプの場合はまさに、中間的な挙動を示していると考えられます。

以上を総合して、水道水を測定するには、静置状態でマイルドに測定するのが、再現性よく測定できる
と思われます。

この測定値が真値かと言われると、真値とは言えないかもしれません。真値は神のみぞ知るという場合も
少なからずあります。
たとえ、真値でなかったとしても、再現性(いつ測っても同じ値を示す)のよいデータならば、

比較検討などができますので、それは、それで、利用価値の高いものであると考えられます。

お気軽にお問い合わせください。 TEL ・Fax 0774-84-6103 月~金:9:00 AM-5:45PM

Copyright © monotone technology Ltd. All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.